この記事では
- 学級に不登校になりそうな生徒がいて悩んでいる
- どうして登校できなくなったのか分からない
- 声掛けやどういった対応が正解なの?
という方のお悩みが解決できるものになっています。

ある意味要点をまとめたような記事です
自分の担当学年や学級で不登校傾向の生徒が出てくると、とても心配になりますよね。多くの先生が「学校に来られない生徒」や「休みがちになってきた生徒」のことで、悩んでいたり戸惑ったりしていると思います。
「登校が続かない生徒にどう対応したらいいのか正直分からない」
「声をかけることが億劫で怖い」「担任として自分は力不足なのではないか」
子ども達への声かけや関わり方は、明確な正解がないぶんすごく難しいです。でも、少しでも安心して向き合えるように、今回は「不登校傾向の生徒への声かけや対応」について、現場でよくある事例やポイントを整理してお伝えします。
不登校の原因の有無

原因がある場合と無い場合があります
不登校の背景に、いじめ問題や友人関係など「本人が苦しんでいる要因」がある場合、学年や生徒指導の先生たちや保護者の方と情報を共有することで解決につながります。この場合は教員側が関係する生徒から事情を聞いたり、本人から話を聞いたうえで指導するなどできますが、一方で「本人さえも学校に行けない理由が分からない」場合も多いです。
不登校の原因が分からない場合、担任としては「自分に非があるのでは」と不安ですよね。ですが心の変化で「何故か登校できない」生徒もいます。そうした生徒にはどう接して行けば良いのでしょうか。
まずはじめに「焦らない・比べない・押しつけない」
不登校傾向の子に接するときに、まず大切にしてほしいのは「待つ姿勢」です。登校できない本人が何よりつらい状況。生徒によって学校に “行かない” “行けない” 事情は様々ですから、「登校させること」を目的にすることが必ず本人のためになるとは限りません。そして不登校傾向にあるからといって担任の先生が焦る必要も、他の学級と比べて落胆する必要もありません。
中学生は特に精神的にも揺らぎのある時期。「学校に行く」こと自体がゴールだと生徒に押し付けることが必ずしも正しい訳ではないと思っています。生徒との関係を切らずに、寄り添って心のドアをコンコンと、ノックし続けることが大切です。
担任としての接し方 4つのヒント
その①「つながり」を大切にする
私の場合は生徒本人が学校に来られない状況を踏まえて、小さなつながりをできる限り築き続けることが重要だと考えています。
- 家庭訪問:生徒本人または保護者の方と話す機会を作る
- 家庭連絡:来週の授業日程や課題などの伝達
ただし部活動顧問や委員会担当など、担任以外の仕事も多いと思います。他の先生とも相談したうえで役割分担をしながら、放課後の時間に対応するような形が理想的ですね。また家庭訪問が難しい場合は、保護者の方に学校に来ていただいて話をする方法も。生徒と学校との繋がりを保つ小さな行動が必要です。

先生の体もひとつしかないので、無理をしすぎず!
その② “学校での居場所”を感じられる工夫を
「行事に不参加であれば何もしなくて良い」ではなく、できるだけ他の生徒と同じように対応できることはした方が良いです。学校に登校できなかった期間が長ければ長いほど、学級に戻りにくくなってしまうため、いつでも帰ってこられるよう生徒の居場所を大切にしておきます。
- 席替えでの席の事前相談と配慮(知らぬ間に席が変わっていると不安)
- 休み中のプリントや課題を、仲の良い生徒に渡してもらう
- 「学級全員の意見」等を掲載する際はその子の意見と名前も書き加える
学校に来られなくても「学級や学校にもちゃんと居場所があるよ」という隠れたメッセージにもなります。
その③保護者との情報交換は念密に行う
生徒本人も辛いのと同時に、保護者も葛藤しています。担任として寄り添って、保護者の方とふたりでお話しする時間も大切です。家の様子をよく理解しているのは保護者の方ですから、家で何をして過ごしているかなど聞くことにも繋がります。
ただし保護者の方もお仕事をされたりしていると思いますので、無理に会おうとはせず、事前に電話で日時を決めておくと安心です。「登校支援のために動いている」というより、「子どものことを一緒に考えて見守っている」姿勢を大切にしてみましょう。

保護者との関係は本当に重要です…!
その④いくつかの選択肢を提案する
不登校傾向の生徒への選択肢として「登校する」か「登校しない」かの2択に絞りがちですが、他の選択肢があることを教えてあげましょう。生徒が「これならできそうかも」「やってみたいかも」と思える小さな一歩を一緒に探していくのも担任の役目です。
- 短時間での別室登校(保健室など)
- 学校以外のフリースクールの利用
- 少年相談センターのカウンセリング 等

ただし自治体によって不登校生徒への対応は様々あります
担任は”ひとりで抱えこまない!”
まず、不登校支援は担任だけの仕事ではありません。自分に非があったのではないか、他の先生なら不登校にならなかったのではないか…と自責の念にかられる先生もいらっしゃるのではないでしょうか。「自分のせいだ」と思い込む必要はありません。
生徒の不登校の背景には色々な理由がありますから。

とは言いつつ責任感じちゃうのは分かります…
スクールカウンセラーや養護教諭、学年職員の先生方に支援コーディネーター、そして管理職の先生方。担任ひとりが焦って解決する問題ではなく、学校全体と連携してチームで取り組む問題です。担任の先生自身も、自分ばかり責めずに無理しないで欲しいです。
おわりに:見えずとも担任の想いは届く

学校に来れない生徒のことも気にかけ続ける担任って貴重です
自分なりにまとめてみましたが、生徒の不登校傾向の理由は本当に様々なので、これといった正解はない気がします。「誰でも登校できるようになる方法」なんてものは存在しません。実際にその生徒と話したり話を聞いたりして、一緒に考えることができる先生が大切だと思います。
不登校生徒の中には、途中から登校できるようになった生徒もいれば、卒業式まで不登校だった生徒もいました。私自身、本当に本人にとって良い行動ができたのかと担任として悩む日々もありましたが、卒業後「元気に高校生活を楽しんでいます」と報告があったりと嬉しいこともありました。
不登校傾向の生徒がここ数年増えているデータもあり、担任の先生の心の負担も大きい気がします。生徒に寄り添いつつも、先生も先生自身を大切にしてください。以上です!
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